

ねじ巻き式ウーパールーパーの贈る、渾身の個人誌
東方SSこんぺにて高評価を得た3作品に、全面的に手を入れた完全版
そして、書き下ろしの新作を加えた、計4作の中長編を収録
血煙と修練と狂気と運命の、ボーイ・ミーツ・ガール!
「やぁ、歓迎するぞレミィ。私はドラキュラ公ヴラド3世。
ここワラキアの公だ。父親と思ってくれていい」
15世紀欧州。鉄と血煙の時代。人間に捕らえられた幼き吸血鬼レミリア・スカーレットは、外交の道具として東欧の小国、ワラキア公国に譲渡される。その地で出会った一人の男こそ、後世にツェペシュ(串刺し公)の名を残すこととなる暴君、ヴラド3世であった。残酷で悪趣味なれど、辣腕にして無遠慮なまでに愛情を注いでくる彼に、レミリアは次第に心を許しはじめるが……。
しかし、当時世界最強と謳われしイスラムの怪物国家オスマン帝国が、ワラキアへ侵略の矛先を向けたのは、まさにそんな時分であったのだ。国の存亡を賭けた壮絶な戦争が始まろうとしていた。戦火と積み上がった莫大な屍の果てにレミリアは何を見るのだろうか……!
「なあ馬鹿弟子。いい時に生まれたと思わんか?
世の中が悪党で溢れ返っている。斬り放題だ。
剣を極めるならこの時代を置いて他に無いぞ」
東郷藤兵衛重位は、島津家に仕える侍であり苦悩する剣客である。
彼には望みがあった。剣の道を極め、自らの手で新たなる流派を開きたいという望みが。されど、思うように見えてくれぬ剣の道。暗礁に乗り上げた重位は苦し紛れに山ごもりを始める。
そこで出会った見事な業前を持つ天狗の少女。彼女は犬走椛と名乗った。心奪われた重位は彼女に弟子入りを懇願する。修行に励む二人。しかしそんな彼らを見て黒い笑いを漏らす影があった。迫りくる悪辣な企みを二人は乗り切ることができるのだろうか……!
「いつだか言ったでしょ。
私は想像力が怪物になる瞬間を見たいんだって」
48号。看守からそう呼ばれる彼は、かつて銃の乱射で多数の人間を殺傷した重犯罪人だ。今日もテキサス西部の刑務所にて、死刑の執行をぼんやりと待つだけの一日になるはずだった。
しかし、この日は例外だった。独房の中に突如として現れた白い翼を持つ悪魔。彼女は無邪気に笑いながら、幻月と名乗った。錯乱して幻覚を見ているのではと慄く48号に彼女は手を伸ばし、奇妙な空間に導く。「夢幻世界。ここのことを私はそう呼んでる」想像力が続く限り自由に姿を変える世界なのだと説明した彼女は、この世界である実験をしようとしているのだと48号に告げる。
拒否権もなく48号が巻き込まれてしまった、不可思議で狂気に満ちたこの実験は、いったいどのような結果を彼らにもたらすのだろう。
「しかし、思うのです。私が練磨を重ね力を蓄えてきたのは、
まさに今、彼女に捧げるそのためではないのかと」
鞍馬山僧正坊こと鬼一法眼は、鞍馬山を統率する大天狗である。
何でも京に新しい妖怪が棲みついたらしい――。部下の射命丸文が持ってきたそんな噂を調査するため一条堀川を訪れた法眼は、そこで奇妙な妖怪と刃を交える。
闇を纏い、金の髪を持つ少女だった。同朋を容易く半死半生の目に合わせたこの強大な怪異に、しかし法眼は敵意とは全く異なる激情を抱いていることに気づく。
鞍馬山、愛宕山、天魔、天狗の社会の理、そして鬼神伊吹萃香。金髪の彼女の扱いを巡ってそれぞれの思惑が絡み合う中、法眼が下した決断は……!

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